執筆者:上西
シーズン中は長時間(8時間以上)労働したり、フルタイムではなくとも土日の帯同が多いスポーツトレーナーにおいて、ワークライフバランス(WLB)は一つの課題と言えます。
特に家族を持った際は、仕事と家族への責任の間で苦しむトレーナーも多いと言われています。
これを「Work-Family Conflict(WFC):仕事と家庭の葛藤」と呼びます。
2018年にNATA(全米アスレチックトレーナー協会)は、ワークライフバランスの促進についての意見表明を行っています。
ここでは特に時間的拘束の改善が最重要事項であり、付随して職場や上司、同僚のサポートが必要だとしています。
個人的な意見も交えながら、いくつかの視点からこの問題を見ていきましょう。
トレーナーにおけるワークライフバランスの重要性
仕事に対するモチベーションと離職率
アメリカではアスレチックトレーナーの燃え尽き症候群が数多く報告されています。
原因としてWFCや低賃金、長時間労働、役割に対するプレッシャーなどの要因が挙げられています。
トレーナーという職業は上記のような労働条件から他の職業よりもワーカホリックの傾向が強いとされています。
また、ある研究では女性やキャリアの浅いトレーナーがより燃え尽き症候群に陥る傾向が高いとしています。
家庭に対する罪悪感
仕事と家庭の葛藤:WFCとの遭遇機会は当然ながら、未婚者より既婚者で多く見られ、かつ子供有無でも大きく差が出ます。
WFCにおける家庭への罪悪感で特に多い回答は以下の項目です。
- 仕事のせいで、思った以上に家族の活動から遠ざけられている
- 仕事に時間を費やさなければならないため、家事や育児に平等に参加できない。
- 仕事に責任があり多くの時間を費やさなければならないため、家族の行事を休まなければならない。
- 仕事から帰宅すると精神的に疲れ果ててしまい、家族に貢献できなくなることがよくある。
- 仕事でのプレッシャーのせいで、家に帰るとストレスが多すぎて好きなことができないことがある。
- 思うように家族と一緒にいられなかったことを後悔している。
- 思うように子どもの世話ができないことに罪悪感を感じている。
- 仕事で起こった問題に対処するために家族から頻繁に時間をとらなければならずつらい。
- 配偶者やパートナーに思うように関心を示せていないことに罪悪感を感じている。
特に多くの回答が寄せられた意見は赤線を引いています。かなり時間的な拘束と関連が強そうですね。
これらの原因によって離職率が上がるということは優秀な人材の確保・維持が難しいということを意味していますので、業界としてはWLBについて議論されているわけです。
性差は本当に存在するのか?
ワークライフバランスを語る上で、必ずと言って引き合いに出されるのが性別による違いですよね。
確かに女性は身体的も妊娠出産といったライフイベントを持ちやすいので、そういった性的特性に起因する仕事からの離脱や復帰に関しては見過ごすべきではありません。
妊娠や出産、育児または家庭内における家事などの負担が女性の方が多い為、「女性は仕事を諦めなければならない」というような風潮は国内外あるようですが、スポーツ現場で働くトレーナーの実際のところはどうなのでしょうか?
性的イデオロギー
前述したように、女性の方が燃え尽き症候群に陥りやすい背景と離職年齢の低さには相関があります。
女性ATの平均離職年齢は28~40歳程度であるのに対し、男性はより長い期間働くようです。
社会一般を見渡しても、当然と言えば当然の結果ですが、問題はその背景です。
女性は出産や育児のために仕事を辞めざるを得なかった、、、つまり「諦めた」という事実があるのか?という点ですね。
女性トレーナーの母性とWLBの研究では「職場や家庭における女性の立場は、社会的制約ではなく女性の好みを反映している」という先行研究を支持しています。
つまり、女性トレーナーの離職の背景にはライフイベントに伴って家庭の比重を増やしたいという個人的選択・女性自身の希望も多いのではないかということです。
但しその背景には、これまでの社会的変遷や女性自身の信念が含まれているとしています。女性自身にも「良き母として家庭を守る」という慣行が強く残っているということですね。
多くは自分の母親の存在が判断基準になっているようで、トレーナーとしての労働レベルを維持したまま、理想的な母親の責任を果たせないことに葛藤を感じることが多いそうです。
また女性は適応型、仕事中心、家庭中心の 3 つのグループに大別されるとしています。
- 適応型:仕事と家庭を両立したいと考えている。働きたいという願望はあるがキャリアに完全にはコミットしていない。
- 仕事中心:仕事を中心に家庭生活を両立させており、結婚しても子供がいない女性も少なくない。
- 家庭中心:優先事項として家庭生活と子供があり、働くことを好まない。
多くの女性は家庭と仕事の両方の長所を享受したい適応的なライフスタイルを好みます。
さらに、この研究では未婚/既婚子供なし/既婚子供ありの3グループにおいて目標の違いを明らかにしています。
- 未婚:「結婚して家族を持ち、キャリアで成功して幸せになること」
- 既婚子供なし:「一生懸命働き続けること」
- 既婚子供あり:「どちらかを妥協することなく健全なワークライフバランスをとること」
また女性のヘッド AT を調査した研究で、仕事中心の好み、または少なくとも過程を育むことを含まない考え方は、女性 ATの責任者への昇進を促進するのに役立つ可能性があると報告しました。
彼らは、適応的なライフスタイルの好みが、ヘッドATの役割を追求する際の潜在的な障壁であることを特定しました。
しかし、全体的にWFCに遭遇する機会は男女で差はないとされており、性別自体がWFCの原因にはならないと示唆されています。
また、仕事復帰に際しては、女性は男性と比較してキャリアの構築よりも「スポーツ現場に身を置きたい」「アスリートと関わりたい」という個人的嗜好が多い傾向にあるそうです。
給与・社会的保障・職場内サポート
女性の妊娠出産に際しては、本人がどんなに仕事を望もうとも職場から離れる期間が必ずあります。
その際に大きな問題となるのが金銭的問題です。
先に述べたように、多くの女性は、家族と一緒に家にいる時間が与えられる柔軟性のある職場や職業という両方の長所を享受したい適応的なライフスタイルを好みます。
適応的な女性は、WLB や家族に優しい雇用手当を提供する職を求める傾向にあります。
実際に多くの女性ATが社会的な金銭サポートの不足を口にしており、現在の補償では家庭と仕事の両立が困難だと報告しています。
事実としてアメリカでの調査では女性の方が給与が少ないことが示されています。
2021年時には、現在(2023年8月)のレート(1ドル142円換算)で日本円にしておよそ150万円程度の差がついていますが、これは先に述べたように女性の方がキャリアが短く、昇進が少ないという要因もあるかもしれません。
また、大学で働く女性ATがWLBを達成するには、仕事を分担し、ATの役割から離れて時間を作る必要があるため、協力的な上司や同僚が必要としています。
しかし、たとえ協力的な上司や同僚のサポートがあったとしても、女性ATは母親としての責任を果たすために離職する傾向の方が強いようです。(※もちろん、仕事に比重を置く方もいらっしゃいます。)
金銭を含めた行政的保障の不足は直接的な女性ATの離脱の原因ではありませんが、重要な要因と言えます。
プロスポーツの医療スタッフを対象にした研究では、収入が低いグループは高収入と比較してうつ病など精神的ストレスを受けるの傾向があると報告しています。
スポーツ現場におけるワークライフバランスは実現可能か?
さて、ここからは個人的な考えも交えながら進めていきます。
結論から先に言います。
スポーツ現場におけるWLB実現は可能であり、不可能である
「は?どういうこと??」となると思うので説明します。
そもそもワークライフバランスは個人の価値観や生活水準によって左右されます。
そのため確固たるベストバランスというものは存在しません。
「12時間働いても家庭とのバランスが取れている」という人もいれば、「6時間しか働いていないのにもっと家族との時間が必要」という人もいるということです。さらにここにパートナーなど家族の意向も入ってきますので、実態はかなり複雑化します。
つまりスポーツ現場のおけるWLBの実現は可能な人には可能だし、不可能な人には絶対不可能ということです。
ただ、前提や社会背景をしっかり理解すれば、かなり折り合いがつけやすくなると思うので、現状や将来に悩んでる人は少し目を通してみて下さい。
スポーツ現場という職場の特殊性
まずはじめに主張したいのが、生計を立てれるほどのスポーツ現場において求められるのは「勝利へのコミット」であるということです。
スポーツメディカルとして選手を守るというバックボーンはありつつ、おそらくは勝つ為に選手の怪我を予防したり、怪我から復帰させることを求められているかと思います。
プロスポーツなどのトップカテゴリーでは、選手やコーチ、S&C、そしてメディカルスタッフと勝利のためにその専門性を必要とされて働く訳です。
そのため、何よりもチームや勝利へのコミットメントが重要視される訳です。それによって拘束時間などが増えてしまうという面は良し悪しあるかとは思いますが…
そのため、雇用ではなく、法律的にも労働時間について言及されない業務委託という形態が採択される場合が多いという構造です。
その際に考えて欲しいのが、そのような環境下では自分の価値が発揮できなくなった時点で必要な存在ではなくなるかもしれないというとです。
かなり乱暴な表現になってしまいますが、勝利へのコミットに対して集められ、対価をもらうという構造が成り立っているので、どのような形であれチームとしてはミッションから遠ざかるような選択はできないということは理解できるはずです。
先に記載しているいくつかの文献でも、プロや大学などのカテゴリーはWLBの実現には向いていないと言及しています。
人として最低限のWLBは守られるべきだとは思いますが、社会一般的な要求が通るような構造として成り立っていないし、社会的にもそこを求められるような組織として存在していないということは理解しておくべきです。
また選手もそうであるように、必要とされる貴重な人材なのであれば再オファーや条件提示も可能なはずです。そうでないならば、自分の価値がそこまでだったとしたほうがいいというのが僕の考えではあります。
上手く社会に組み込まれた形でWLBを達成されるには学生などのアンダーカテゴリーでの労働環境の充実が必要になるかと思います。
勤務時間
なぜ多くのトレーナーが家族、特に子供を持った時にスポーツ現場から離れるのか…というところを分析してみます。
プロスポーツであれ、学生スポーツであれ、一番大きいのは”活動時間”です。
プロスポーツでは毎週末の遠征、学生では夕方から夜にかけての練習や週末の試合があります。
これらの時間帯や曜日は一般社会では、終業時間や休日であり自由時間になります。そのため、その時間帯に活動するということは、家族との時間は取りづらくなります。
また子供ができた場合、保育園のお迎えや夕食、入浴、寝かしつけなどの時間にバッティングします。週末は言わずもがなですよね。
これらがまず大きな理由となりますが、学校を含めた教育環境やスポーツの興行性を考えても、ここが変わることはほぼないので理解しておかなくてはならない側面です。
収入
基本的に家庭の生活基盤はパートナーと2人で築いていくものなので、ここで重要になるのが収入面です。
現状の日本におけるトレーナー活動では育休や産休での保障制度は充実していない、もしくは皆無です。
育児を考えた際に、パートナーと比較して自分の収入がどれくらいあるか、トレーナー活動での金銭的な生産性がどれくらいあるかという部分は、現実問題とても重要です。なぜなら、どちらが生活費を稼ぐのに効率的か…という話になるからです。
プロスポーツなどの一部の環境を除いて、収入面を含めた労働環境はまだまだ発展段階です。
この時、多くのスポーツ現場は単純な報酬や社会保障も含めて一般企業に劣ります。また、そこに上記の拘束時間帯の特性などが加わってきます。
その事実によって多くの方が転職や離職を選択する訳です。
もちろん家事や育児は協力して行うべきものですが、お互いの比重という点では、このような収入状況によってその役割が決まることが多いと思います。
自分自身
よくキャリアのご相談を頂く中で感じるのが、「自分自身が納得いっていない」ということですね。その背景として隠れているのが「予想と違った」「こんなはずじゃなかった」というような想いであることが多いです。
これは僕個人の意見ですが、子供を育てるというのは、労働を含めた今までの生活に子育ての作業がAdd-On(増える)というような単純なものではないんです。これまで行っていた労働や趣味の時間を削ってまで行わないと達成できないようなパワーのいる作業なんですね。
そのため日本では収入格差や歴史的慣行からまだまだ女性がその役割を担うことが多いです。(先に述べたように、性イデオロギーに沿った志向もあるかと思います…)育休などの保障を使ったり、時短制度を使ったり、家庭に入ったりというようなことですね。トレーナーであれば、上記の勤務形態や収入の面から考えれば、よりそうなる可能性が高いように思います。
拘束時間が長いから…収入が少ないから…という理由で、トレーナー活動を諦めろ。ということではありませんが、スポーツ現場の特殊性・拘束時間・収入などの面からも、家族と生活を作り上げるには不利な職業であるということは理解しておかなければならない点だと思います。
その上で、生活と仕事の間で自分の立ち位置を見つけることが重要です。
最初に書いたように、正解があるわけではないので、トレーナーという職業や自身の労働環境を考えた上で、家族の希望も加味しつつ、双方への関わり方を決断することが一番大切かと思っています。
元より収入があり、拘束時間が長くないとしても、家族・子供ができれば多少生活の変化は起こります。もし現在、「子供ができたからトレーナーとして働けない」とか、「家庭があるから現場に出れる時間が減った」と悩んでいる方がいるかもしれませんが、それはトレーナーに限らずだと思います。
家族を持てば必ず何かしら生活において変えるべき部分が生まれるので、そことどう折り合いをつけるかということだと思いますし、責任をもって決断をすべき部分だと個人的には考えています。
例えば、「家庭を犠牲にする」とよく耳にしますが、自分自身で「家族との時間を減らしてでもスポーツ現場に身を置きたい」という決断ができているのであれば誰に恥じることもなく職務を全うすればいいですし、「トレーナーは続けたいけど家族の希望の方が大切だから、現場からは離れよう」とするのなら家族との時間を過ごせるような仕事を選択すればいいだけの話です。
仕事に比重を置いたからと言って家族をないがしろにしているという訳ではないでしょうし、家庭を選んだからと言ってスポーツ現場に情熱を注げないという訳でもないでしょうが、そういう決断をした以上は選んだ環境に左右されるという覚悟は必要かと思います。
自分でしたその選択を後悔しないよう、状況に流されるのではなく、両方を天秤にかけてしっかりと決断する機会を持つことが実は足りていないのではないかと考えています。どちらに重心を置くか決めた上で、各々の状況に合わせた働き方や関わり方を作っていけば自身の心と折り合いはつくのではないでしょうか。
自分を取り巻く環境(労働環境やパートナーの希望)に対して決断することが最も重要です。
解決策はあるのか?
極論を言えば…
トレーナーとして家族とのワークライフバランスを構築する上で、自分自身が主導権を持ちたいのであれば、
- パートナーよりも収入がある
- 家族の協力や理解がある
まずはこの2点を満たすことは最低限必要かと思います。
つまり、生活を成り立たせるだけの収入があることと、家族に仕事を応援してもらえる環境があることですね。
その上で、同様にパートナーの仕事をどのくらい応援したいか、どのくらい家庭の時間を増やしたいかなどによって働き方や身を置く環境を選択していく。という流れになるのではないかと思います。
やはり相手あってのことだと思うので、上記の2点を満たした上でもコミュニケーションは必須です。
職業としての社会との適合性
現在、日本における”スポーツ現場のトレーナー”という職業は一般化された資格や体制はありませんが、モデルケースはアメリカのATCであることが多いです。JSPO-AT然りです。
資格背景や意義という点では素晴らしいものですし、普及されていけば確実にスポーツ業界の発展に結びつくと思います。
しかし、大きな問題として日本の社会構造には全くと言って適していないというのが僕個人の意見です。(※再度言いますが、資格自体は素晴らしいものです。)
ATCは訴訟文化や医療体制が日本ほど整備されていないアメリカのスポーツ現場で、死傷者を出さないことや医療機関への照会の必要性の有無を判断すること(医療費が高いため)が職業的意義として存在しています。そういった背景に付随して、学生スポーツも大きなスポーツビジネスとして成り立っているので、資格体制と共に雇用先が確保されているということが日本と比べて特徴的です。
ですが、日本では健康保険制度が充実し、医療機関も街中にあり容易に受診できます。
そのような社会構造の中で、雇用という形でトレーナーを常駐させるメリットはチームや学校側にはあまりにも少ないと考えられます。
(同業目線で考えればそれでもスポーツセーフティ―などは普及させるべきだと考えますが…雇用先の視点としてです。)
そのため多くの場合、現場もトレーナー側も医療資格との抱き合わせが需要として生まれているわけです。有する医療資格の特性(PT、鍼灸、柔整など)がトレーナー業務に付加価値として加わります。
これらの資格を持っているから優れている、持ってないから劣っているということではありませんが、多くのトレーナーは生活の収入基盤をこれらの資格を基に得ていることが多いという話です。
つまり明らかにアメリカとは異なる社会背景の中、かつ職業的に確立されていない現状を踏まえるとまだWLBを議論するに至る段階にはないかもしれません。
スポーツ現場に関わりながら、医療機関やジムなどで本収入を作るという現状は、どちらかというと欧州に近いかと僕は考えています。
欧州では開業権を持った理学療法士がトレーナーの立ち位置でPhysioとして活躍しています。もちろんスポーツチームにフルタイムのPhysioもいますが、病院や自身のクリニックからパートタイムなどでサポートするやり方は日本の現状に通じるかと思います。
「スポーツに関わりながらWLBを達成する」という視点においては、自身のビジネスを構築することでかなり時間をコントロールすることが可能になります。
開業権という言葉あれど、整体やトレーニングジムに関しての法規制はないので、現状では医療資格がなくともトレーナー活動に結びつくようなサービスは構築可能です。
先の研究でもスポーツチームで働く医療スタッフで副業を持つスタッフの方がうつ病および不安スコアがより低いと報告しています。
この先、スポーツ現場のトレーナーの雇用先は増えていくとは思いますが、ここまで書いた理由から急速に環境が整うことは考えづらいです。
そうなると、将来的なWLBを目指すのであれば収入源の構築はかなり重要だと思います。まだまだ発展途上の業界では「ないもの」の方が多いです。そうした現状においては嘆くよりも創るしかないというのも事実だと考えていますし、またそれができるのもトレーナーのような専門性をもった職業の強みであると感じています。
最後に
かなり長くなってしまいましたが、家族を持つ選択をした時点で100%これまでと同じ働き方・生活とはなりません。スポーツ現場という特殊な環境とまだ未熟な業界であるということを踏まえると、ライフステージを想定した出口戦略は必要になってくると思います。
もちろん、家族を持たないという選択も尊重すべき一つの考えです。どちらにせよトレーナーとしてワークライフバランスの達成を目指すのであれば、現状や社会背景を考える機会を持つ必要があります。
まとめ