アキレス腱炎・断裂の評価 

  • 2022年5月4日
  • 2022年6月4日
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今回はアキレス腱炎・断裂の評価法、応急処置の基礎知識についてまとめていきます。

 

アキレス腱は人体最大の腱組織と言われており、歩行時には体重の約4倍

走動作時には体重の約12.5倍の負担が加わるとされています。

 

アキレス腱炎

アキレス腱の炎症には様々な名称が存在する。

van Dijkらか提唱する分離は

❶中央部アキレス腱障害
❷アキレス腱傍組織障害
❸アキレス腱付着部障害
➍踵骨部滑液包炎
❺アキレス腱皮下滑液包炎

となっている。

 

 

受傷機転

基本的には使い過ぎによるオーバーユース。

繰り返しのストレスによって炎症が起こる。

 

病態と症状

アキレス腱炎は、

❶踵骨付着部から近位2~6cm
❷外側よりも内側

に多いとされている。

 

基本的にこの上記の部位は、

❶血液供給に乏しい
❷腱の横断面積が小さい
❸摩擦が多く、腱の捻じれが大きい

ために発生しやすいと考えられる。

 

アキレス腱は捻じれ構造をしており、大きくタイプが3つに分類されるため、どのタイプかによって発生率は大きく左右される。

 

症状としてはアキレス腱実質部の疼痛があり、場合によっては腫脹が見られることもある。

初期の場合は朝や練習前に痛みを訴え、練習中に体が温まってくるとあまり痛みを感じないという場合が多い。

 

 

評価

アキレス腱炎のテストは基本的にあまり存在しない。

 

疼痛部位、圧痛、運動時痛

などで比較的容易に評価できる。

 

ただ炎症が起きている部位が本当にアキレス腱炎実質部なのか。それとも周囲なのか。それとも滑液包なのか。

はしっかりと鑑別する必要がある。

 

 

応急処置

基本的に慢性痛なので、アキレス腱に対するアプローチは限られる。

 

・炎症のコントロール

・下腿三頭筋の柔軟性獲得

・超音波や体外衝撃波などの物理療法

 

または滑走性などを改善する手技などが考えられるが、なぜアキレス腱に負担がかかっていたのか。

この根本の原因に対してアプローチすることが一番大事となる。

 

 

アキレス腱断裂

お次はアキレス腱断裂です。

 

アキレス腱断裂は保存療法でも手術療法でもスポーツ復帰までに6か月程度かかる大怪我である。

 

 

病態と症状

若年から中年まで幅広い年齢で起こりうる。

ただ年齢別で発生数をみてみると、スポーツ活動の盛んな20歳、28歳が最も多い。

 

アキレス腱に変性や小さな組織損傷などがあると、断裂につながりやすいとは考えられている。

 

アキレス腱断裂は症状に特徴があり、

◆強い衝撃感→後ろから蹴られた/ボールが当たったような衝撃
◆強い疼痛
◆つま先立ち不可→歩行は可能

がみられ、さらにアキレス腱が断裂しているため、患部を触ると陥凹が見られる。

 

 

評価

感度特異度が完璧なわけではないが、

Tompson test

が最もポピュラーなテストである。

 

先ほど述べた症状と、このTompson testが陽性であれば、基本的にアキレス腱断裂を見逃すことはない。

 

ただトレーナーがいないと頑張れば歩けるため、意外にアキレス腱が切れていることに気付かない人もいる。

 

応急処置

足関節捻挫とは違い、足関節

軽度底屈位

で固定を行い、アイシングを行う。

 

基本的には保存療法、手術療法どちらもスポーツ復帰時期や再受傷に大きな差はないものの、通常手術療法が選択されることが多い。